はじめまして。リッジラインボルダリングジムを運営している、兵部 智代です。
私がボルダリングに出会ったのは、20代の頃でした。もともと山が好きで、山歩きを楽しんでいましたが、アルパインクライミングを視野に入れたときに、必要となったのが登攀練習でした。
思うように登れなかった、最初の頃
始めたばかりの頃は、まったく上手く登れませんでした。 あとから始めた人が次々と上達し、私が登れない課題を軽々と登りきる姿を見て、焦ったり、落ち込んだり。正直、「私には向いていないのかもしれない」と苦しく感じることのほうが多かったです。
人と比べてばかりの頃は、登ること自体が辛く、何度も心折れて、ジムに通わなくなる時期もありました。
比べる相手が、変わった瞬間
月に1度や2度と、ほそぼそと続けながら、長い年月を経て、年齢を重ね、クライミングを続けるために折り合いをつけたいと、少しずつ考え方が変わっていきました。
ボルダリングは、誰かと比べて勝つためのものではなく、「昨日の自分と向き合う時間」なのだと気づいたのです。 昨日できなかった動きが、今日は少しだけ楽にできる。届かなかった一手に、指がかかるようになる。
その変化は本当にささやかなものですが、一つひとつが確かな手応えとして積み重なっていく感覚がありました。
見知らぬ土地で、私を救ってくれた存在
そしてもう一つ、ボルダリングを続ける中で私を支えてくれたものがあります。それは、ジムで出会う人たちとのつながりでした。
私は過去に何度か転居を経験しているのですが、見知らぬ土地で新生活を始めるたびに、ふらりと足を運んだのが現地のボルダリングジムでした。どこのジムに行っても、そこで自然とクライミング仲間ができ、そのおかげで寂しさを感じることなく楽しく過ごすことができたのです。
「こんな居場所があったらいい」と思ったこと
一人で黙々と壁に向かってもいいし、誰かと同じ空間を共有してもいい。登れても、登れなくても、ただその時間を楽しめる。そんな「自分のペースでいられる心地よい居場所」に、私自身が何度も救われてきました。
だからこそ、「今度は私が、誰かにとっての安心できる場所を作りたい」と思うようになりました。
そして、私自身、まだ慣れない富山の地で生きていくために、心のよりどころをつくりたかったのです。
訪れた方に楽しさやホッとできる時間を提供していくことは、私の人生にとっても、すごく大きな意味を持っています。
「帰ってきたい」と思える場所へ
実際に運営を続けていく中で、嬉しい出来事がたくさんありました。
進学や転勤、結婚で富山を離れた方が、帰省のたびに顔を出してくれたり、出産後にご家族で一緒に遊びに来てくださる方もいらっしゃいます。あるいは、しばらくクライミングから離れていたけれど、「久しぶりにここで登りたくなった」と、ふらりと立ち寄ってくださる方も。
登る・登らないに関わらず、「帰ってきたい場所」「ホッとできる場所」としてこの空間を選んでいただけることが、私にとって何よりの喜びです。
私が運営においていちばん大切にしているのは、そんな「居心地の良さ」です。
無理に話さなくてもいい。上手さで評価されない。自分のペースを尊重できる。 ボルダリングジムでありながら、「また来たい」と思える理由が、登ること以外にもある。そんな場所でありたいと思っています。
最後に
ボルダリングに出会えたことで、私は日常に「少しの達成感」と「自分を整える時間」を増やすことができました。
この場所が、あなたにとってもそんな存在になれたら、これほど嬉しいことはありません。 無理に始める必要はありません。まずは、雰囲気を知るところからで大丈夫です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 私が大切にしている「登れても、登れなくても楽しめる」「無理に頑張らなくていい」という思いを、実際の空間として形にしたのがリッジラインです。
文章だけでは伝えきれない空気感もありますので、よければ、こちらから実際のジムをのぞいてみてくださいね。
